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「共同体づくりにおける組織化の法則 −プラットフォームの構築手法を通して考える−」J−stage日本経営診断学会論集11 Webジャーナル

 レフェリー付き論文。日本経営診断学会学会賞奨励賞 受賞。
 本論文の目的は共同体が組織化に向かうための法則を解き明かすことにある。関係を組み換えて価値を創り出す組織化の仕組みをプラットフォームと置く。そのうえで論者の知る限りこれまでの研究ではプラットフォームの構築手法に十分言及されたものがないことを述べ、その構築プロセスの分析を進めた。まず組織化の必要条件としてプラットフォームビジネスの成功事例とされる楽天創業者三木谷が社員育成のために著した『楽天社長講話』(三木谷, 2006, 非公開資料)にある組織化25ポイントと、これまでの論者研究でまとめた組織化法則性25ポイントを比較しながら異同を議論した。結果としてコンセプチュアルスキル、テクニカルスキル、ヒューマンスキルに分けて組織化の法則性をまとめた。次に十分条件として S-Dロジックを用いてすべてのサービスシステムはプラットフォームの仕組みをもつことを述べ、事例としてノーベル賞を得た社会企業であるグラミン銀行もプラットフォームを基盤構造とすることを示した。結論ではプラットフォーム構築には一定の法則性があり、その構築は営利企業のみならず、社会性と経済性の統合を目的とするすべての互恵の仕組みづくりに欠かせないことを提示した。

[2014.05.26]