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清澄白河がおもしろい

 横浜とは全然違うけれど、ここもなんて魅力的なのだろうとおもうまち。古い地名でいえば木場だから、運河がタテヨコに流れていて、以前は製材所であった工場が最近は、その目的を変えて、焙煎施設つきのカフェに姿を変えて、今や若者の集まる珈琲のまち。

 地下鉄清澄白河駅を降りたら、ほんの一区画の間に4,5軒のお店。なかは一杯だから外のオープンカエで一杯。風が吹き抜けるなかでの香は格別。

 あわせてこの同じ界隈には「深川歴史資料館」があって、掘割のまちならではの、江戸情緒を味わえる。当時の掘割、船宿、そして名物だったあさりの漁で生業を立てていた「はっつあん、くまさん」の暮した長屋。ちょっと興味をしめそうものならご高齢のボランティアさんが熱く説明してくれて、「長屋に住んでいた後家さんで三味線の師匠でなりわいと立てていたおしずさんの部屋におじゃましては、火鉢のそばに座って」粋を味わう。

 すっかり江戸の下町に浸かって、出てくれば、2,3軒向こうにには深川めしの店が。宮部みゆきのエッセーで「深川めしはざっかいな食べ物。だけど地元もんにはやっぱり、おいしいソールフード」とあったけれど、「うーん、その通り!」。どんぶりのなか、どこか海の塩味のするスープのなか、大きい浅利が、なんといいましょうか、ご飯を掘っても掘ってもでてくるのだ。まさに、どんぶりの潮干狩り状態! 

 こんな界隈と同じ通りにはパリの裏町にどこか風情の似た洒落な紅茶専門店やパン屋さん。侮れないぞ、日本の下町。夜になりゃ暗いからちょうちんともし、安くてうまいから人も集まる。お花見の頃には掘割に和船も。在るべきところに、ものやヒトが長い時間かけてしっくりはまり合ってだから下町は休まる

[2016.06.05]