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吉祥寺に開店した「ユニクロ」巨大店舗探検(東京都武蔵野市。吉祥寺駅圏)

吉祥寺に開店した「ユニクロ」巨大店舗探検(東京都武蔵野市。吉祥寺駅圏)

吉祥寺に開店した「ユニクロ」巨大店舗探検(東京都武蔵野市。吉祥寺駅圏)

 103、吉祥寺北口に地上1~7階という都内最大級のユニクロ超大型店舗が開店。テーマは「ひと・まち・くらし」。うたい文句は「街に根ざした地域密着型店舗」一号店。

 店内には吉祥寺在住の漫画家の楳図かずおはじめ、商店街のヒトや市民がユニクロ製品をまとったポスター。外観も美しいし、正面にバーンと据えられた3基のエスカレータがお客さんを上階に誘導。ショーウインドには漫画の吹きだしを用いた宣伝と回転するマネキン。しかし、開店バーゲンの目玉になっていたパーカーの価格を見ると以前の店のバーゲン価格に比べて消費税分高い。

 なんだ、中身は前の店と同じで、ちょっと高くなっただけじゃん。店内の装置にかかるコストが価格転嫁されたのならお客さんはたまらない。話は変わるが吉祥寺南口、末広通りで写真の惣菜屋を見つけた。三丁目の夕日に出てきそうな店にぼつぼつだがお客さんが続く。昔ながらの店と量販店。商店街には両方が必要。しかし量販店の店舗開発担当取締役と店長は、一度、惣菜屋の売り子にしてもらって一日、コロッケを売ったらどうか。中小企業診断士になったばかりの頃、お客さんを知りたいならお店のジャンパー借りてレジに立ってみろと恩師から言われた。本気でまちに馴染みたいなら量販店の究極の役割を自問して欲しい。

 

[2014.10.21]

 

パネルディスカッション「境から考えるまちの未来」考(東京都武蔵野市。武蔵境駅圏)

 武蔵野市民会館で開かれた「境から考えるまちの未来」に参加した(10 13日)。パネリストは四組。武蔵境駅徒歩3分の土地で何代も続く農家のご夫妻は庭先販売や境名物トウガラシでこども参加の収穫祭を実施する「畑仕事人」。他市在住の大学生は出版社就職希望で地域誌「iisakaii(いいさかい)」の学生公募で編集を体験し、「外から来たものにすべてが新鮮。まちに大事なのはヒト」。

 「境おやこひろば」でパパ、ママの集まる場を立ち上げたグループ代表は関西から来た兼業主婦の子育てママで「自然と暮らしがほどよく混在する境は好きでここに住居を」。市の男女共同参画支援事業ヒューマンネットワークセンターのボランティアは「男女共同参画の仕組みを境発信で武蔵野中につくって欲しい」。子育てママはこちらの再就職セミナーで仕事復帰の後押しをもらった。

 話を聞きながら、当日のコーディネータ日本女子大学教授、武蔵野の森を育てる会代表のT先生から、「土のヒト(土地とともに暮らしてきた住民)と、風のヒト(風に乗ってきた新住民)が居てまちができる」と聞いたのを思い出す。武蔵境は東京にあって田舎と都会が混在する数少ないスポット。市内では開発が遅かったことが幸いし、今、ファミリー向けマンション建設ラッシュで子どもの数が増え、一方、農地や林も残っている。ヒトの関わりにも自然にも、まだこれからの「余白」あり。

 地付きの人、若者、新住民のほか、商店街、企業、自治体が吸い寄せられ、逆風ももちろんあろうが、「風土」が現在進行形で生み出されつつある。こんな「境流」が三鷹、吉祥寺を刺激し、触媒となり合って広がるまちづくりもありか。気づきをもらいあう会合だった。

 

[2014.10.20]